雪姫
私にとって、映画に出て来る人物の中で一番の憧れの存在です。
黒澤監督が「気品と野生が醸し出す異様な雰囲気」と表現した言葉はまさにその通り。
生き方、信念、立ち振る舞い、全てにおいて、こんな人間になりたいと思うロールモデルです。
敵に捕らえられ、打ち首になる寸前に、
「姫は楽しかった。この数日の楽しさは城の中では味わえぬ。装わぬ人の世を、人の美しさを、人の醜さを、この目でしかと見た。これで姫は悔いなく死ねる。」
と言うのですが、この言葉は、精神を究めきった者にしか出てこないでしょう。
洋画に出てくる白人のプリンセスの華やかさに憧れがちだったのが、
この映画の雪姫を見て覆りました。
本物の美しさとは何か、が少しだけ分かったような気がします。
雪姫のメイクは能を意識したものらしいですが、
日本の伝統文化の素晴らしさをこのようにして発見できて、感動しました。
際立つ、高貴な佇まい。
昔の映画なのに、雪姫の美しさには普遍性があります。
とにかく、雪姫が最高です。